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ことばを言い換えよう② 「できません」を相手を傷つけずに伝えるには?
2025/11/10

「少々お待ちください」(Please wait a moment)は、相手に短い停止をお願いするときに使います。ただし「止まってください」と直接告げる形になるため、強く響くことがあります。より丁寧に伝えるには、相手や状況に合うやわらかな表現を選びましょう。
「少々お待ちください」には次の要素が含まれます。
| 要点 | 内容 |
|---|---|
| 相手の動作を止める | すぐに行動を止めてもらう。 |
| 自分中心の都合 | 一時停止は自分側の都合のため。 |
| 情報不足 | 理由や所要時間が不明確。 |
そのため、相手は「なぜ止めるの?」「どれくらい?」「立場が弱くなる?」と感じることがあり、強く(あるいはぶっきらぼうに)聞こえます。言い換えは、尊重と配慮を伝える助けになります。
言い換えは語を差し替えるだけではありません。文の“機能”を変えると、ぐっとやわらかくなります。
| 方向 | 目的 | 日本語の例 | 読み(かな) | 読み(IPA) |
|---|---|---|---|---|
| 「お願い」にする | 協力をお願いする | 「少々お待ちいただけますか。」(少しお待ちください) | しょうしょう おまち いただけますか | [ɕoːɕoː o matɕi itadakemasɯ ka] |
| さらにやわらかなお願い | いっそう丁寧にする | 「もう少しお時間をいただけますか。」(もう少しお時間いいですか) | もう すこし おじかん を いただけますか | [moː sɯkoɕi o dʑikaɴ o itadakemasɯ ka] |
| 「確認」にする | 相手の都合を尊重する | 「今、お時間よろしいですか。」(今お時間大丈夫ですか) | いま、おじかん よろしい ですか | [ima o dʑikaɴ joroɕiː desɯ ka] |
| 「理由」を添える | なぜ止めたいかを共有 | 「ファイルを確認したいので、少しお時間をください。」 | ふぁいる を かくにん したい ので、すこし おじかん を ください | [ɸaiɾɯ o kakunʲiɴ ɕitai no de sɯkoɕi o dʑikaɴ o kɯdasai] |
IPAは学習の目安です。実際の会話では一部の音が自然に弱くなります(例:「です」の/s/など)。
状況・意図・適切な言い換え・理由を対応させて理解を深めます。
| 場面 | 伝えたいこと | 適切な言い換え(日本語) | 読み(かな) | 読み(IPA) | 理由 |
|---|---|---|---|---|---|
| 仕事/サービス | 少し止まってほしい | 「少々お待ちいただけますか。」 | しょうしょう おまち いただけますか | [ɕoːɕoː o matɕi itadakemasɯ ka] | 命令ではなくお願いになる。 |
| 相手が忙しそう | 先に都合を確認 | 「今、お時間よろしいですか。」 | いま、おじかん よろしい ですか | [ima o dʑikaɴ joroɕiː desɯ ka] | 止める前に相手の時間を尊重。 |
| 整理したい | 理由を伝える | 「要点を整理したいので、少しお時間をください。」 | ようてん を せいり したい ので、すこし おじかん を ください | [joːteɴ o seːɾi ɕitai no de sɯkoɕi o dʑikaɴ o kɯdasai] | 理由があると受け入れやすい。 |
| オンライン会議 | 短い時間を確保 | 「この点を確認したいので、30秒いただけますか。」 | この てん を かくにん したい ので、さんじゅう びょう いただけますか | [ko no teɴ o kakunʲiɴ ɕitai no de saɴdʑɯ bjoː itadakemasɯ ka] | 時間が明確だと不安が減る。 |
| 親しい友人 | くだけた言い方 | 「ちょっと待ってて。」 | ちょっと まってて | [tɕotto matte te] | 親しい間柄ではカジュアル可。 |
| お店で | すぐ案内を約束 | 「すぐにご案内しますので、少々お待ちください。」 | すぐに ごあんない します ので、しょうしょう おまち ください | [sɯgɯ ni go aɴnaːi ɕimasɯ no de ɕoːɕoː o matɕi kɯdasai] | 次の行動を示すと安心して待てる。 |
| 緊急時 | 安全最優先 | 「危ないので、止まってください。」 | あぶない ので、とまって ください | [abɯnai no de tomatte kɯdasai] | 安全では直接的な表現が必要。 |
カジュアルな「待ってて」は親しい相手に限り、仕事や公共の場では丁寧なお願いや確認に言い換えましょう。
以下の日本語例はすべて「。」で終わります。声に出して練習しましょう。
1)窓口で
A:「提出前に、もう一度確認したいです。少々お待ちいただけますか。」 B:「はい、わかりました。」
2)オンライン会議
A:「画面が固まっています。30秒ください。原因を確認します。」 B:「わかりました。待ちます。」
3)友人と
A:「飲み物を取ってくるね。ちょっと待ってて。」 B:「うん、いいよ。」
基本は「〜てください」。ビジネスでは「〜ていただけますか。」の方がやわらかい。
— 次回:「できません」をやわらかく。相手を傷つけない断り方。