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ことばで知る日本のくらし③ コンビニで学ぶ日本語の敬語 ─ 「温めますか?」のやさしい心
2025/10/24

日本では、あいさつや感謝、謝るときに「お辞儀(おじぎ)」をします。 ただ頭を下げるだけではありません。場面によって、角度やことばが変わります。
この記事では、「お辞儀」という動作と日本語のことばをセットで学び、 日本人のていねいさを、やさしい日本語で分かりやすく説明します。
| 日本語 | よみかた | 意味・使い方 |
|---|---|---|
| 会釈 | (えしゃく [eɕakɯ]) | 軽く頭を下げるあいさつ。すれ違うとき、目が合ったとき。 |
| 敬礼 | (けいれい [keːɾeː]) | 丁寧に頭を下げるあいさつ。お客様対応、上司へのあいさつ。 |
| 最敬礼 | (さいけいれい [saikeːɾeː]) | 深く長く頭を下げる、いちばん丁寧なお辞儀。謝罪や深い感謝。 |
| 失礼します | (しつれい します [ɕitsɯɾeː ɕimasɯ]) | 部屋に入る・出るときなど、相手に配慮を示すことば。 |
| よろしくお願いします | (よろしく おねがいします [joɾoɕikɯ oneɡai ɕimasɯ]) | 協力や関係をお願いするときの定番表現。 |
例文:
ポイント:お辞儀は「動作」と「ことば」をいっしょに使います。どちらかだけでは不十分です。
日本のお辞儀は、ことばとセットで完成するあいさつです。 たとえば「失礼します」と言いながら、軽く頭を下げます。 「ありがとうございます」と言いながら、丁寧に頭を下げます。
日本では、「ことばだけ」「態度だけ」は足りません。両方がそろって礼儀になります。 静かな動作の中にも、相手への敬意(けいい)が表れます。
| 種類 | 角度 | よく使う場面 | よく使うことば |
|---|---|---|---|
| 会釈 | 約15° | すれ違い、軽いあいさつ | 「こんにちは」「お疲れ様です」 |
| 敬礼 | 約30° | お客様対応、上司へのあいさつ | 「ありがとうございます」「よろしくお願いします」 |
| 最敬礼 | 約45° | 謝罪、深い感謝、正式な場 | 「申し訳ございません」「心より感謝申し上げます」 |
角度が深いほど、相手への敬意や気持ちの強さが増えます。 会釈は「軽いあいさつ」、最敬礼は「深い謝罪・感謝」の気持ちを表します。
座っているときも考え方は同じです。背中を伸ばし、ことばと動作を合わせます。
どちらも自分をへりくだる謙譲語(けんじょうご)で、相手を立てるときに使います。
例:
例:
メモ:「申し上げます」は、最敬礼に合う強い敬語です。深く頭を下げる動作と合わせると、最大級の敬意になります。
| 行動 | 対応することば | 背景 |
|---|---|---|
| 軽く頭を下げる | 「お疲れ様です」(おつかれさまです [otsɯkaɾe sama desɯ]) | 相手をねぎらう、社会的な距離を保つ礼儀 |
| 丁寧に頭を下げる | 「ありがとうございます」(ありがとう ございます [aɾiɡatoː ɡozaimasɯ]) | 感謝の気持ちを形で見せる |
| 深く頭を下げる | 「申し訳ございません」(もうしわけ ございません [moːɕiwake ɡozaimasen]) | 敬意と反省をはっきり示す文化 |
| 部屋に入る | 「失礼します」(しつれい します [ɕitsɯɾeː ɕimasɯ]) | 相手の“内”に入る前のマナー |
| 会話の終わり | 「よろしくお願いします」(よろしく おねがいします [joɾoɕikɯ oneɡai ɕimasɯ]) | 関係の継続を願う気持ち |
| 電話を切る前 | 「失礼いたします」(しつれい いたします [ɕitsɯɾeː itaɕimasɯ]) | 見えない相手にも丁寧さを保つ |
A:おはようございます。(会釈) B:おはようございます。(会釈)
店員:ありがとうございます。(敬礼) 客:お願いします。(軽く会釈)
部下:このたびはご迷惑をおかけして、申し訳ございません。(最敬礼) 上司:今後は気をつけてください。
来客:失礼します。(会釈して入る) 担当:よろしくお願いいたします。(敬礼)
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コンビニで学ぶ日本語の敬語 ─ 「温めますか?」にある思いやり